チャボと貴方の関係

品評会などで入賞鶏の写真をかっこよく撮影するには真横から静止の状態で撮影します。そのためには普段からチャボに接して、恐怖感を与えてはなりません。また、逆に人間に慣れすぎても、静止せず人間に方に歩いて寄ってきてしまいます。

撮影に際してはまず人間がゆったりした気持ちで、静かにチャボに接することが大事です。乱暴に扱ったり、慌てたりするとチャボに恐怖感を与えてしまいます。

撮影台に乗せる時のチャボの持ち方

撮影する際はチャボと人間が向かい合う形で、両手でゆっくりとチャボを包み込むように翼の上から下(腹の方)に手を回し、親指で翼を固定し、人差し指と中指でチャボの腿から脚を固定して持ち上げ静かに台の上に乗せます。

チャボの脚を固定していなかったり、人間の手のひらに脚が乗っていたりすると脚を使って逃げようと暴れる場合があります。    

撮影場所へ

普通はぐらつかない安定した台の上で撮影します。チャボの脚が滑りやすい場合は、カーペットかゴムマットを敷いてください。床が金網や透き通ったアクリル板は下が透けて見えるのでチャボが不安になりますから避けてください。

背景は平面なものが向いています。無地の布を張ったり、建材のコンパネが便利です。撮影の際に逃げ出す恐れのあるチャボには両側を金網などでふさいでください。

台の上に乗せたときチャボが不安そうな場合は普段からチャボに話しかけているように小さな声で囁くのもいいでしょう。例えば雌鶏が卵を産む前に発する「コーコーコーコッ」とか「トートートートッ」とか鳴くときのような感じの声で。

又は両手で翼の上からチャボの体を軽く包み込むように密着させ指先で静かにポンポンと体をたたくのもいいでしょう。お母さんが赤ちゃんを寝かしつける時の様に。また、胸の部分を静かになでおろしてやるのも有効です。背中をたたくとチャボは次の行動へ移そうとする気持ちになり飛び上がってしまう場合があります。

チャボが怖がっていると体を低くし、首をすくめてじりじりと後退したり、首を細くして伸ばしたり縮めたり、前後に動かすときは飛び上がり逃げ出す際のサインです。逃げるのを防ぐため、慌てて尾を掴んで大事な尾羽が抜けてしまったりする話をよく耳にします。

チャボが一番美しく見える5月ごろは、次の換羽が始まる時期でもあり羽毛が抜けやすくなっています。同時に鶏も敵から逃れようとするとき、羽毛を抜けやすくして命を守ろうとする防衛本能でもあるのです。丁度トカゲが敵に襲われたとき、しっぽの先端が切れやすくなっているのと同じです。もう一度降ろして仕切り直しです。

優しくポンポンしましょう

仕上げ

うまく台の上に乗せられたら羽毛を落ち着かせます。羽がもつれていたり隙間があったりしたときは一枚一枚指で整えて最後に上から下へ撫でるように全身の羽毛を落ち着かせます。

特に重要なことは翼が正常なたたみ方をしているかを確かめてください。主翼羽がきちんと副翼羽の下に入っているかです。次に尾羽が正常な配列になっているかを確かめてください。雄の場合、副尾羽が主尾羽と絡みあったり、小謡羽が謡羽と前後したりしていないかです。

雌雄共に尾は垂直に保たせてください。尾の後ろ側を下から上に向かって静かに撫で上げ最後に尾の根元を少し頭の方に押し付けます。標準体型のチャボならば尾と頸部の隙間が、雄の場合は指一本くらい、雌の場合は指二本くらいです。但し、胴長のチャボや短胴すぎるチャボはこのようにはなりません。

最後に頭部のセットです。片手で尾を正常な位置で支えながら、もう一方の手で顔面を真横に向け、顎の下に手を当てて静かに頭を持ち上げ、頸を伸ばし過ぎず縮み過ぎない位置にセットし、嘴は地面と水平に保ち、嘴の先端は胸の突端を通り地面に垂直になるくらいです。

正常な位置にセット出来たらそっと手を離して、静かにチャボから離れましょう。顔を左右にキョロキョロ振るようだったら、チャボの正面前方に位置し、好きな食べ物をちらつかせたり小さく手をたたいたり、軽く指を鳴らしたりチャボに注意を引かせ静止させます。

きっと素晴らしい写真が撮れるでしょう。

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